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ネット上の「ウサギ穴」ってなに? ~ down the rabbit hole

Paranormal activities Internet rabbit hole (インターネット上のうさぎ穴)と聞くと何を想像しますか?上記の「不思議の国のアリス」の挿絵がヒントです。キアヌ・リーブス主演の「 マトリックス 」シリーズも少し関係があります。

No homo っていったい何?

Love you, Bro

 英語の映画やドラマで時々耳にする "No homo" という表現についてご説明します。性的マイノリティーに対する差別用語に思えますが、そうとは限りません。Netflix の人気ドラマ「ハートストッパー」や原作者アリス・オズマン氏についても触れます。


No homo の意味


No homo ってどういう意味だと思われますか?

男性同士がふざけて取っ組み合いをしている時に、間違ってハグしたり、手に握ってしまうことってありますよね?(映画やドラマの中だけでしょうか?)それに気づいた瞬間ハッとして、どちらか、もしくは二人同時に
No homo!
ホモじゃない(よね?)!
と声に出だし、気まずい状況を必死に乗り切ろうとします。

この意味を知らない人が “No homo!” を耳にしたら、反応に困ってしまうかもしれません。ただ、「同性愛者お断り」と言う場合は No homos と複数形で表現するのが一般的なので違いを知っておけば、差別なのか、ただ気まずい雰囲気から抜けようとしているか聞き分けられます。(差別的な No 〜 の表現に関しては後日記事にします。)

こちらは、若者風な会話を試みましたが、実際の若者が読むと cringe するかもしれません。状況だけを把握してください。
A. (Driving) Hey, can you answer my phone for me? It's on my lap.
B. Sure. (Phone slips and touches the lap instead,) Oops.
A. Dude, what the heck!?
B. Chill out, man. It was an accident. No homo, OK!?
A. (運転中) なぁ、電話に出てもらえないか? 膝の上にあるから。
B. いいよ。 (電話が滑って、代わりに膝に触れる) おっと。
A. おい、一体何だ!?
B. 落ち着け。 事故だから。 ホモじゃないからね!?
No homo はストレート (両性愛者) 同志だけではなく、ゲイであることをカミングアウトしている人が使うことがあります。上記のような気まずい場面で、「あなたに対して恋愛感情はありません」と伝えるために使うことがあります。

冒頭の動画について:No homo というセリフは出てきませんが、1976年の映画 Grease にそのような場面があります。(36秒あたり)


意味を知らない人が “No homo!” を耳にしたら、反応に困ってしまうかもしれません。ただ、「ホモセクシャルお断り」と言う場合は No homos と複数形で表現するのが一般的です。

違いを知っておけば、差別をしているのか、ただ気まずい雰囲気から抜けようとしているか聞き分けられます。(差別的な No 〜 の表現に関しては後日記事にします。)

この記事を書いたきっかけの作品


Netflix | Heartstopper

この記事を書いてる日は Netflix の人気ドラマ「ハートストッパー」の配信一周記念でした。私は一年前に観始めたのですが1話の3:24あたりで、主人公の少年がいじめを受けるドラマなのだと勘違いしたため再生を停止して、ダウンロードしてあった全話を削除しました。(上記の画像が出ていたら、ハッピーなドラマだとわかったのになぁ。)当時私は落ち込んでいたので軽いコメディを求めていました。

ネットでこのドラマを高く評価する記事をちょくちょく目にしため、二週間前に改めて観るとあまりの面白さに驚きました。

「ハートストッパー」を一気見した後、  原作のウェブコミック(現在も更新中)や、作者のアリス・オズマン氏の YA(ジュブナイル)小説を手当たり次第読み(聴き)漁っています。ほとんどの作品がハートストッパーと同じユニバース (架空世界)で展開するので、別の作品の主人公がゲスト出演することもあります。

オズマン氏自身が「アロエース」(アロマンティック、アセクシュアル)であり、性的アイデンティティーで悩む若者の日常を優しく、暖かくしかもユーモアたっぷりに表現します。イギリスのLGBTQ の学生だちのストーリーが中心です。

No homo という表現が登場するのはオズマン氏の二作目の小説です。

Radio Silence の場面


私の一番のお気に入りのオスマン氏の著書、Radio Silence は、レズビアンの少女と、幼馴染の男の子と交際するの少年の友情の物語です。


主人公アレッド (男子) がインフルエンザになった時に甲斐甲斐しくお世話をするフランセスとのやり取り。アレッドが「君をプラトニックに愛している」というと、フランセスはこう答えます。:
That was literally the boy-girl version of "no homo", but I appreciate the sentiment.
それって文字通り「ノー・ホモ」の男女バージョンだけど、気持ちだけは受け取っておくよ。
とても微笑ましい場面です。ふたりとも匿名の人気ネットクリエイターであり、個人情報がバレて巻き起こるトラブルがストーリーのクライマックスです。この作品も「ハートストッパー」同様、日本語版が発売され、ネットフリックスのドラマ(もしくはアニメ)になるといいなと願ってます。
Isaac reading “Radio Silence” - Heartstopper
Radio Silence を読むアイザック
出典: Tudum

実はアレッドは「ハートストッパー」の原作のコミックに登場するのですが、実写版では新人俳優トビー・ドノバンが演じる読書好きなアイザックという新しい登場人物に変わっています。アイザックが読んでいる幅広いジャンルの本の中に Radio Silence が含まれています。アイザックが読む本はオスタマン氏が選んだものだそうです。:


Alice Oseman の著書は LGBTQ の方々や、LGBTQのことをもっと理解したい人にオススメです。

 
Photo by Clement perchero

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