コンサートで曲の合間にアーティストがおしゃべりをすることがありますが、日本では「MC」と呼んでいます。実はこれは日本独自の表現で、英語では別な表現を使います。
MCは「司会進行」という意味
過去記事でコンサートのことをライブとは言わないとご説明しましたが、今回は MC
の正しい英語表現をご紹介します。
MC は master of ceremony
の略で式典やパーティーなどの「司会進行」という意味。また、
Urban Dictionary
によると、
mic
controller
の略で(マイクを操る人)という意味でもあり,ラップバンドのしゃべり担当のラッパーを表します。
コンサートでのアーティストのおしゃべりという意味では使われません。
英語では on-stage banter
正しい表現は stage banter、
on-stage
banter です。
Banter
とは「ふざけ合う」「雑談をする」という意味の動詞と、「雑談」「おしゃべり」という意味の名詞があります。
Banter
は米国よりも英国で日常的によく使われます。無駄話、駄弁り、などという意味であまりポジティブな意味ではありません。(沖縄の方言では「ゆんたく」が近いでしょう。)
Enough with the banter. Go to sleep.
無駄話はもうそれくらいにして。そろそろ寝なさい。
YouTube にはコンサートの最中の banter の様子や、効果的な banter
の手ほどき動画もあります。発音は「バンター」でいいと思います。
Twitter 検索結果:
on-stage banterBanter が使われいるセットリスト
MC を英語で説明する
日本では MC
が幅広く使われているので、スラングだと考えることができます。海外の方が理解できるように説明するのもいいかもしれません。
A. What is the MC on your setlist?
B. MC is Japanese slang for "stage-banter".
A. セットリストの MC って何ですか?
B. 「ステージ上の雑談」という意味の日本のスラングです。
スポーツ界でも
スポーツでの選手同士の会話のことを次のように表現します。リンクをたどると、Google
動画検索の結果を見ることができます。
YouTube 検索結果:
海外アーティストのこだわり
海外のミュージシャンには on-stage banter
をとても重要視する人が多くて、動画で後輩アーティストにアドバイスをする人もいました。
ちょっと調べただけでもこれだけの banter
に関するハウツー記事を見つけました。:
Soundfly
の記事には、雑談のテーマは予め用意する、自己紹介を忘れない、バンドメンバーの担当楽器と名前を紹介する、
ベニューのオーナーやスタッフに感謝を述べるなど、当たり前といえば当たり前なこですが、息が長い音楽活動を続けるには重要な話題がリストアップされています。
The vocalist introduced the new support bassist during his first stage
banter of the evening.
ボーカリストはその夜最初のMC のときに新しいサポートベーシストを紹介した。
Twitter 検索結果:
their on-stage banter (音楽評論家やファンがバンドの banter についてツイートしています)
トークとは言わない理由
Talk とは言わないのでしょうか?実は talk
と「観客同士の会話」を表す表現。他の観客やアーティストにとって
迷惑な行為とされています。
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