He overdosed on painkillers
テレビの情報番組で、若者による市販薬の過剰摂取のことを「オーバードーズ」と呼んでいたことがちょっと気になりました。間違いではないのですが、米国では overdose
は違うニュアンスで使われます。この記事は英語を学んでる方や普段から英語でコミュニケーションをしている方むけに書きました。
Overdose は「意図的に、または、誤って薬物を過剰摂取する」という意味です。薬物というのは市販薬や処方されたお薬、違法薬物に関しても
overdose が使われます。
日本での「
オーバードーズ」は普段から市販薬の過剰摂取する習慣に関して使われます。詳しくはこちらの記事をお読みください。
米国では「過剰摂取の結果」のニュアンス
米国人に対して「普段から~が薬物をオーバードーズしている」というとかなり驚いて困惑されると思います。米国で
overdose
は「普段からの過剰摂取の習慣」というよりも、「過剰摂取が原因で病院へ運ばれる、または亡くなる」という最悪なニュアンスで使われます。
米国での overdose の使われ方を見てみましょう。こちらは overdose の名詞形の例文です。Overdose
は自動詞なので、過剰摂取した薬物は on ~ と表現します。:
My son overdosed on painkillers and is being treated at the hospital.
息子が痛み止めを過剰摂取して、今病院で治療を受けています。
動詞としての使われ方見てみましょう。名詞の場合、薬物名は of と組み合わせます。:
The actress died from an overdose of
fentanyl.
女優はフェンタニルの過剰摂取で亡くなりました。
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OD と略されることも
私が中高生だった1970年時代にはすでに
overdose を OD(定義17) と略されていました。時折アイドルが OD
で運ばれてという記事をティーン向け雑誌で目にすることがありました。名詞形の過去形は OD’d
と表記します。
I heard he OD’d on cocaine.
彼はコカインを過剰摂取したと聞いた。
She died from OD on sleeping pills.
彼女は睡眠薬を過剰摂取して亡くなりました。
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「意図的な薬物の過剰摂取」を英語で表現する
厳密にいうと日本での「オーバードーズ」の使い方は間違っているわけでなく、このまま日本独自のスラングとして使っていいかと思っています。
ただ、米国人の方との会話や、英語の作文や記事を書くときに米国での一般的な使われ方を知っておくのは重要です。
米国では意図的に薬物を過剰摂取する行為には別の名称を使っています。
それは
drug abuse
(薬物乱用)です。この表現は違法薬物だけではなく、市販薬、処方箋薬品に関しても使われ、違法性や危険性のニュアンスで用いられます。用法用量を守らずに薬を服用することが drug abuse とされます。
Drug abuse
は「薬物乱用」の総評なので具体性に欠けるため薬品名と組み合わせるのが一般的です。Cough
medicine abuse (咳止めの乱用)という具合に。
10代の若者による咳止め薬の乱用は深刻化しています。
Abuse を動詞として使う場合、名詞は目的語にするのが一般的です。
I have abused pain medication in the past.
私は過去に痛み止めを乱用したことがあります。
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