He’s so clever.
アメリカとイギリスでは clever は違う意味を持つことを最近知りました。そこで誤解を防ぐために褒め言葉としては使わない方が良いと感じました。
英国では clever は褒め言葉
最近ポッドキャストで
アガサ・クリスティーのデビュー作 The Mysterious Affair at Styles (
スタイルズ荘の怪事件)の朗読を聞いていたら、clever の使い方に違和感を覚えました。
第一章でヘイスティングスはエルキュール・ポアロに対する初印象をこのように話します:
He was a funny little man, a great dandy but wonderfully clever.
彼は小柄で面白い男性、とてもおしゃれで素晴らしくクレバーでした。
はて?ヘイスティングスはポアロに対してあまり良い印象を持たなかったのだろうか?
Clever という言葉はこの小説で何回も登場して、聞いているうちに褒め言葉なのだと気づきました。
調べてみると英国と米国では clever の意味がちょっと違うのですね。私は米国英語の clever の意味で解釈していました。
実は日本でもイギリスと同じ意味で「クレバー」が使われています。
イギリス風な clever の例文:
My son is quite clever. He skipped one grade in elementary school.
息子は結構賢いんです。小学校の頃に一学年飛び級しました。
※余談ですが、dandy と言う言葉は米国でも英国でも古めかしい言葉だとされていて、現在は「おしゃれ」という意味ではあまり広く使われていません。
米国で clever は褒め言葉ではない
アメリカのとある
政治家の clever の使い方について:
It’s that clever–a very British use of the word, in my experience. The precise American equivalent is smart, or, more formally, intelligent. We actually use clever less to characterize a person then to describe shrewd or ingenious decisions or actions–or, if a person, then one who makes that sort of decision. British people often talk about “clever children,” or a “a clever child.” Americans, never.
私の経験上、彼の clever の使い方が非常に英国的に思えるのです。 米国ではこの場合 clever ではなく smart (賢い)、またよりフォーマルな言い方では intelligent (知性がある)を使います。 私たち(アメリカ人)は clever を人物の特徴を述べるためではなく、その人の「あざとい」「ずる賢い」考え方や行動、そのような傾向の人物に関して使われます。 イギリス人はよく「クレバーな子供(たち)」と言いますが、米国では決してそういう言い方はしません。
私の翻訳が少しわかりにくいかもしれませんが、要するに米国では clever
は褒め言葉ではないということです。
Clever as a fox というイディオムがありますが、これは「狐のように賢い」ではなく「狐のようにずるい」という意味です。日本でも欧米でも狐は人間をばかすずる賢い生き物とされています。
提案:人を褒めるときに clever を使わない
Clever
という言葉が国によってポジティブな言葉であったりネガティブであったりするので、英語で人を褒めるときに使わないことをお勧めしたいです。
Clever の代わりに使える形容詞は:
My dog is pretty smart. He knows how to turn on the light.
私の犬は賢い。電気をつけることができる。
Masato is a bright student and gets along with his classmates.
マサトくんはとても賢く、クラスメートともとても仲がいいです。
I think bonobos are very intelligent and kind creatures.
Meet the brilliant members of the development team.
開発チームの優れたメンバーをご紹介します。
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