2019年2月20日

Jump the shark の由来


今回は jump the shark (サメを飛び越える)という不思議な表現についての記事です。TV番組から派生して今ではイディオムになっています。

Jump the shark の意味


Jump the shark というのはもともとは「ドラマがつまらなくなる」という意味の表現でした。あるテレビドラマのこの場面が元になっています。


70年代に放送された人気コメディードラマ「ハッピーデイズ」の一場面。ヘンリー・ウイクラー が演じる フォンジーが水上トスキーでいけすの中のサメの上を飛び越える様子が jump the shark の由来になっています。

10シーズン放送されたこの番組の第5シーズンの1話目のワンシーン。問題点は次の通り:
  1. それまでの番組は全く違ったストーリーの筋、
  2. ビーチに革ジャンと水着姿で登場したフォンジーのバカバカしさ、
  3. いけすのサメを水上スキーで飛び越えるシーンのつまらなさと長さ。
このエピソードをきっかけに番組から視聴者が離れていったという説があります。しかし、その後5シーズン番組は放送されました。

私もこの番組を米軍放送で時々見ていましたが、このエピソードがきっかけで、番組から離れた一人。フォンジーのビーチでの革ジャンを着用は見るに堪えないものでした。

今ではドラマ以外にも使われる


Google で jump the shark をニュース検索すると、テレビ以外に、スポーツ、政党、ファッションなど、幅広い分野に対して使われていることがわかります。

Google ニュース検索: jump the shark

ネットで見つけた内容を元にした例文です:
Dexter jumped the shark when he didn't kill Hannah. [ソース]
「デクスター」はハンナを殺さなかった瞬間つまらなくなった.

Super Bowl has jumped the shark but that's OK. [ソース]
スーパーボールは最盛期が終わったが、それもよし。

Trump's America has jumped the shark.  [ソース]
トランプのアメリカはピークが終わった。
Jump the shark は動詞の他に、形容詞としても使われています。
And then came what may have been the jump the shark moment (for Kihei Clark). [ソース]
そして、それが(キヘイ・クラークにとって)手痛い瞬間となった。
Jump the shark というのは大抵、受けて(ファン、消費者、視聴者等)側の意見や感想です。提供者(番組制作スタッフ、スポーツチーム、アーティスト、メーカー等)がそれまで指示してくれた人たちの意見を無視し、希望に配慮せず、
  • 内容に変更を加える、
  • 質を落とす、
  • 方向性を変える
などをするのことを表しています。

Twitter 検索結果: jump the shark

Jump the shark した番組を紹介する記事:


Happy Days と American Graffiti の関係


余談ですが、jump the shark について調べている間にわかったことを書きます。

実は「ハッピーデイズ」の原案は短編恋愛ドラマを集めた番組「ラブアメリカンスタイル」の物語ーのひとつだったそうです。それを見たスティーブン・スピルバーグが「アメリカングラフィティー」を制作し、短編ドラマの俳優を出演させました。映画の成功に触発され、ABCが「ハッピーデイズ」を単独のコメディードラマとしてリメイクされ、同じ主役の3人が起用されました。

Photo by GEORGE DESIPRIS from Pexels

参考にしたページ:

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