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年末のこの時期、米国のニュース番組や新聞で war on Christmas (クリスマスとの戦い)という表現を耳にします。今回はこの不思議な表現と Happy Holidays という挨拶についてご説明します。
War on Christmas は一種のプロパガンダ
War on Christmas は一種のプロパガンダと考えることができます。2000年台初頭にクリスチャンではない米国民に配慮して、行政機関の建物などではで宗教色の強いキリスト降誕のディスプレーや、「メリークリスマス」の表示を控えようという運動が始まりました。保守派や福音主義のクリスチャン団体がこの動きを不快感をいだき、保守派のコメンテータビル・オライリー氏やピーター・ブリメロー氏等がこれを war on Christmas と呼ぶようになりました。
Photo by Bich Tran |
近年では一般の店舗や公共の施設からも宗教色の強い飾り付けは少なくなっているようです。クリスマスのメッセージ Merry Christmas は Happy Holidays (楽しいホリデーを)や Season's Greetings(季節の挨拶)と表記されるようになりました。
トランプ政権になって、また war on Christmas をよく耳にするようになりました。トランプ氏は「正々堂々と Merry Christmas と言おう!」と演説会で発言していますが、実は、大統領に就任する以前はツイッターで Happy Holidays とつぶやいていました。
Happy Holidays は便利で優しい挨拶
The holidays というのは日本の「年末年始」と同じ使い方ができます。クリスマスは12月25日には終わりますが、the holidays は11月の後半から1月まで期間にはいろいろな祝日にを含みます。この期間には誰にでも、Happy Holidays という挨拶をSNSやメールなどで使うことができます。
祝日 | 日にち | 備考 |
---|---|---|
Thanksgiving Day 感謝祭 |
11月第四木曜 | 米国全体 |
Advent アドベント |
クリスマスの4週間前の日曜日からクリスマス・イブまで | キリスト教 |
Hannukah ハヌカー |
12月、ユダヤ暦の 9月25日から 8日間 | ユダヤ教 |
Kwanzaa クワンザ |
12月26から7日間 | アフリカ系アメリカ人 |
New Year's Eve 大晦日 |
12月31日 | 米国全体 |
New Year's Day お正月 |
1月1日 | 米国全体 |
ユダヤ人とキリスト教の信者は見分けることのは意外と難しく、Merry Christmas と挨拶してら、
I don't celebrate Christmas.と返ってくる可能性がなくはありません。
クリスマスは祝いません。
Happy Holidays はキリスト教信者以外の人に優しい、長期間使える挨拶なので、ぜひ使ってみてください。
「~に対する」という意味の on
War on Christmas を「クリスマスに関する戦争」と訳されているのを目にしたことがあります。War には「戦争」以外に「戦い」という意味があり、後者のほうがこの場合-適切です。また前置詞の on は「~について」「~に関する」よりは「~に対する」の定義が適切です。On については近日中の記事で説明します。
Google ニュース検索:
- war on Christmas (クリスマスに対する戦い)
- war on drugs (ドラッグに対する戦い)
- war on terror (テロリズムに対する戦い)
参考にしたページ:
- Wikipedia | Christmas controversies
- New York Times | How the ‘War on Christmas’ Controversy Was Created
- Holiday Insights | Major Holidays in 2018
Top photo by: Negative Space
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