2011年6月8日

冠詞が正しく使わなければ片言英語に聞こえる - A と The



Aは非限定的、theは限定的と学びますが、ちょっと難しいですね。すこし分かりやすく説明してみます。

たとえば、「町で見かけた猫が可愛かった」と英語の日記や作文に書きたいとします。最初見かけたときには、a catと書きます。次に猫が文の中に登場するときは the cat に変わります。

意外に重要な冠詞


外国人の方が日本語を学ぶときに、とまどいを感じるのは「助詞」の使い方です。いわゆる「てにをは」です。英語にはないものですし、どこでどう使い分けるかがとてもわかりにくいものです。初心者はついつい助詞を省いて話すので、片言の日本語に聞こえてしまいます。たとえば、
「私会社行った。社長居なかった。私帰った。」
助詞を省くと話を理解するのに少し時間がかかります。

英語の冠詞(a、an や the)も話の意味を伝えるには重要な役割を果たしています。日本語には無いものなので、わかりにくいかもしれませんが、冠詞を正しく使わなければ英語力を評価されることはありません。

限定的、非限定的


Aは非限定的、the は限定的と学びますが、ちょっと難しいですね。すこし分かりやすく説明してみます。

次の例文での a と the の使い分けをご覧ください。
I saw a cute cat yesterday. It was sitting on the curb. The cat had a long tail and a brown coat. 
昨日かわいい猫を見かけました。歩道に座っていました。猫のしっぽは長くて、色は茶色でした。

限定している名詞


「限定している」というのは、こんな考え方があります。すでに話題のどこかに登場している人や、物や、場所である。

上記の猫の例文では最初のセンテンスではまだ猫は特定されていません。「とある猫」という意味で冠詞は a が使われます。
I saw a cute cat yesterday.
昨日(とある)猫を見かけました。
3つ目のセンテンスでは猫は既出で、特定されているということで、冠詞は the になります。
The cat had a long tail and a brown coat. 
猫のしっぽは長くて、色は茶色でした。

みんなが共通の認識をしている名詞


書き手と読み手がその名詞を見聞きすると同じ物を思い浮かべることが分かっているときにも、theを付けます。
  • the big game 大きな試合
  • the new car 新しい車
  • the math exam 数学の試験
The King と書いてあると昭和生まれの方は歌手のエルビス・プレスリーを思い浮かべます。最近ではレブロン・ジェームス選手でしょうか。

上記の例文では curb がこの扱いになっています。
It was sitting on the curb.
歩道に座っていました。

身の回りに一つしかないもの


作者の周りや一般的にひとつしか無いとされている人や、物や、場所には the をつけます。
  • 家の中には台所がひとつしかないので、the kitchen
  • 住んでいる町には町長は一人しか居ないので、the mayor
  • 家にパソコンが一台しかない場合は the computer
  • 近所にコンビニが一軒しかないなら、the convenience store
  • 図書室に司書が一人しか居ないのなら、the librarian
と書きます。こういう限定している人、物、場所は(まとめて「名詞」といいます)は文の中に初めて登場しても the 付けてOKです。

複数あれもの一つである場合は絞り込むための形容詞を加えるか、別の呼び方ます。
  • 2階にあるパソコン the computer on the second floor
  • セブンイレブン the Seven Eleven
  • 新しい司書の方 the new librarian

限定していない名詞(単数)


文の中に初めて登場したとき


猫の例文のように初めて登場させるときに a や an を付けると、読者はまだこの名詞について何も知らないのだとわかります。

どれなのかが重要ではないもの

I bought an apple. 
りんごを一個買った。
という文では「どのりんごである」ということがさほど重要ではありません。(そのりんごに重要性があるのであれば、次からは the が付きます。)

限定していない名詞(複数)


「私は本が大好きです。」と英語で表現するときは、
  • 本全版が好きな場合は冠詞をつけない複数形: books
  • 特定な本が好きなら適切な限定詞(this, the, that)と単数形の組み合わせ。this book など。
I love books.(不特定、本全般)
本が大好きです。

I love this book.(特定、この本)
この本が大好きです。

不特定多数の名詞は複数形で書きます。他に
He collects stamps. 
彼は切手を集めています。

She watches Korean programs。
彼女は韓国の番組を見ます。
正しく冠詞が使えるようになると、外国人の方にとって、とても分かりやすい文章になります。「片言」っぽくない日記を書くために、冠詞をマスターしましょう。

2021年7月29日追記

この記事は当ブログの初期のものです。当時は頭ではわかりきっていることを日本語で説明することに苦心した記憶があります。また、英語で考えた内容をそのまま日本語に訳して、知らず知らずのうちに失礼な表現になっていたことがありました。

10年後の現在、もう少し日本語らしい表現に書き換えることができるようになったような気がします。

英語のコミュニケーションに冠詞はかなり重要なので、わかりやすい記事に再編集をする努力を続けていきこうと思います。

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