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前回の記事「英語の警告標識には不完全文を使おう ~ incomplete sentence」で少し触れた telegraphic style(電報文体)についてご説明します。世界中の看板や貼り紙にこのような表現が使われています。
「電報文体」とは
画像の看板の日本語「防犯カメラ作動中」は電報文体で書かれています。もし完全文であれば「防犯カメラが作動しています」となりますが、このように書かれた看板はあまり見かけませんね。
日本に電報が導入されたのは明治2年(1869年)で、電話が普及する前は遠方に住む人と連絡を取る唯一の方法でした。電報は、まず用紙にメッセージを書き、それを送信してもらうために電信局に持ち込みます。オペレーターがメッセージをモールス信号に変換し、電線を介して別の局へ送信します。受信側では信号が文章に復号され、手書きまたは印刷された後、受取人の自宅や職場に、電信局の配達員によって届けられました。
日本に電報が導入されたのは明治2年(1869年)で、電話が普及する前は遠方に住む人と連絡を取る唯一の方法でした。電報は、まず用紙にメッセージを書き、それを送信してもらうために電信局に持ち込みます。オペレーターがメッセージをモールス信号に変換し、電線を介して別の局へ送信します。受信側では信号が文章に復号され、手書きまたは印刷された後、受取人の自宅や職場に、電信局の配達員によって届けられました。
携帯電話さえあれば、世界各国の人々と瞬時に連絡が取れる現在では想像がつかないほどの手間がかかりました。
電文
日本語の電文(電報の文章)はこんな感じでした。映画やドラマで見かけたことがあるのではないでしょうか。
チチキトク スグカエレDad ill Return soon
英語の電報はすべて大文字で、句読点の代わりに STOP
が使われ、結構読みづらい文章でした。また、電報は単語単位で請求されるため、通信費節約のため冠詞や前置詞など不要な語を省略した簡潔で端的な文体でした。
英文の電文を見てみましょう。
ARRIVED SAN FRANCISCO SAFELY STOP HOPE TO SEE YOU ALL SOON STOPサンフランシスコに無事着いた みんなに会えることを楽しみにしている 愛を込めて 息子 ダンより
句読点はすべて STOP で表現されました。
電報は、必要不可欠な情報を最小限の語数で詰め込む必要がありました。この原則は、公共の看板にも明確さや簡潔さが用いられました。
公共の看板で電報文体が使われる利点
素早く読んで理解できる
「床滑ります」のように助詞が抜けた断片化した文は「床が濡れていて滑ります」より素早く認識することができ、迅速に注意を促したいときに効果的です。
SLIPPERY WHEN WET濡れている床は滑りやすくなります
米国の学校や公園付近や住宅地でよく見かける
SLOW CHILDREN の黄色い標識 [画像]は「遅い子供」ではなく、「付近で子供がいるので、徐行 (slow down)
してください」と注意を促します。運転者はこの2つの単語を見かけると無意識に徐行するようです。
省スペース
看板のスペースは限られています。その空間に大きくて読みやすい文字で簡潔なメッセージを伝えたいときには長々として全文ではなく電報文体が効果的です。
注意喚起
名詞と命令形の組み合わせは注意を促します。「立入禁止」と書かれていると有無を言わさず従ってしまいますが「関係者以外の立ち入りはご遠慮ください」では、それほどの威力は期待できません。
グローバル・スタンダード
警告表示における電報文体の簡潔な表現は世界共通です。
電報文体の看板が閲覧できるサイト
標識や看板は人々の安全や権利を守る大切なメッセージを表示することがあります。自分で電報文体の英文を書くよりも信頼できる signage company (看板制作会社)のお手本をチェックしてみましょう。参考にしたページ:
- Wikipedia: Telegram style, 電報 | 電報文体
- Ohio History Connection | The Language of Telegrams
- Atlas Obscura | Technology You Didn’t Know Still Existed: The Telegram
- Visigraph Signs & Decals | Do Slow Children Signs Imperil Our Kids?
AIとの共同作業:記事の舞台裏
今回は前回の続きなので、同じアウトラインをもとに書きました。Grokが一度だけ使ったtelegraphic という形容詞は、この記事を書く上でとても重要なヒントとなりました。Grok には必要最低限のアウトラインを作成してもらったので、日本語で説明するためには複数の英語のサイトを閲覧する必要がありました。私にとって最適なAI との付き合い方を見つけた気がします。
Google Documents: Discussion with Grok about using incomplete sentences in signage
今回も DeepL に文章のチェックと例文の和訳をお願いしました。
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