2016年9月1日

三単現をもっと自然な日本語で表現する

He wants to go out and play.
He wants to go out and play.

中学校に入学して英語の授業を楽しみにしていた生徒が、三単現を学ぶ頃にはそうでも無くなっている場合があります。実生活ではどういう使い方をするのか考えてみましょう。

英語学習の最初の難関


日本人が英語を学ぶ時に最初の大きな難関は「三単現」ではないでしょうか?三単現は「人称、数、在形」の略です。下の表の赤い部分が正しく三単現です。

現在形の活用
主語単数形複数形
一人称 I like we like
二人称 you like you like
三人称 he likes
she likes
it likes
they like

ご覧のとおり、三単現だけ明らかに違います。理由は:

  • 3種類の主語(he, she it)がある。
  • 三単現だけ、動詞に s が付いている

テストでも一番間違えやすいのが三単現だと思います。

自然な三単現、不自然な三単現


三単現の問題点はもう一つあります。一体、どんなときに使えばいいのか、と思うことがあるということです。

状況、居所、行動


三単現で「現状」「居所」「行動」を表現する時には問題はありません。
He lives north of town.
あいつは街の北の方に住んている。

It looks bigger in real life.
実物はもっと大きく見える。

He is lost in the middle of Tokyo.
あの子は東京のどまんなかで迷子になっている。

She found her missing keys.
彼女は失くしていた鍵を見つけた。
とくに不自然なところはないですよね。

気持ち、好み、精神状態


しかし、「気持ち」、「好み」、「精神状態」などの三単現を日本語に訳すと、不自然に感じることがあります。
He doesn't want to attend the meeting.
彼は会議に参加したくありません。

She likes the red dress better.
彼女は赤いドレスのほうが好みです。

He feels tired but he can work for another hour.
彼は疲れているけど、後一時間働けます。
日本語の部分を読むとこういう疑問が頭に浮かぶかと思います。

私が英語のALTをしていた頃、生徒さんに「どんなときにこういうことを言うの?」と聞かれたことがあります。
  • このセンテンスを言っている人はどういう立場なのだろう?
  • なぜ本人に喋らせないのだろう?
  • どうして人の気持をそんなに自信たっぷりに言えるの?
この疑問は、三単現を苦手にする大きな要因かもしれません。

自然な日本語に言い換える


次のように訳せば、もう少し実用的に感じるのではないかと思います。
He doesn't want to attend the meeting.
彼は会議に参加したくないそうです。

She likes the red dress better.
彼女は赤いドレスのほうが好みのようです。

He feels tired but he can work for another hour.
彼は疲れているけど、後一時間働けると言ってます。
これらの表現なら、当人からの話を伝えているか、通訳をしているのか、と思えますね。

学校で英語を学んでいる間は、元来の不自然な訳し方でいいのでしょうが、日常では、「と言っています」「らしいです」「みたいです」と訳した方がいいかと思います。

逆に「と言っています」「らしいです」「みたいです」をいいたい時には現在形の三人称で言うこともできます。

冒頭の犬の写真のキャプションはこう訳すといいでしょう:
He wants to go out and play.
この子、表に出て遊びたいみたい。
こう表現すると、もっと三単現が身近に感じませんか?

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